嗅覚のメカニズム
  ニオイを感じる仕組み
 ニオイ分子が鼻腔内に入ると、その天井部の嗅粘膜にある粘液に溶け込みます。すると、そこにある嗅細胞が興奮し電気的な信号が発生します。その信号が大脳に到達することで、ニオイの感覚が生じると考えられています。
この嗅粘膜はひとの場合は片側が2.5cm2で、1000万個ほどの嗅細胞があるとされています。一般に、嗅覚がよいとされている犬の嗅細胞は2億個くらいといわれています。
  嗅覚閾値
何のニオイかわからなくても何かニオイを感知できる最小濃度のことを「嗅覚閾値(イキチ)」と言います。物質ごとにこの濃度は異なり、嗅覚閾値が1ppb以下の物質も少なくありません。
※ 1ppb:十億分の一
『ニオイ』物質
ニオイのイメージ
嗅覚閾値
 アセトアルデヒド  こげたニオイ
 0.0015 ppm
 硫化水素  腐った卵のニオイ
 0.00041 ppm
 メチルメルカプタン  腐った玉ねぎのニオイ
 0.00007 ppm
 トリメチルアミン  腐った魚のニオイ
 0.000032 ppm
 アンモニア  糞尿のニオイ
 1.5 ppm
 スカトール  糞のニオイ
 0.0000056 ppm
(財団法人 日本環境衛生センターのデータを参考に作成)
  嗅覚の特性1 :順応
 同じニオイを長く嗅いでいると、においの感じ方が弱くなることがあります。これを嗅覚の「順応」と言います。自分の体臭や口臭はほとんど感じませんが、他の人はよくわかるということがありますが、それは嗅覚の「順応」が作用しているからです。
  嗅覚の特性2 :個人差
 嗅覚の能力には個人差があります。そして、体調・疲労・睡眠時間などによっても能力は変化します。視力や聴力のように個人が自覚していないものの、加齢とともに嗅覚の能力も低下します。また、一般的に男性より女性の方が、若干嗅覚が優れていると言われています。
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