ガスの種類
ガスの種類
前回、私たちの生活の中ではたくさんの種類のガスが使われているというお話をさせていただきました。
それらのガスを「性質」で分類すると、大きく以下の5つに分けられます。
ガスの種類 | 性質 |
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可燃性ガス | それ自体が燃える性質を持っているガス 例 : 水素、メタン、アセチレンなど |
支燃性ガス | それだけでは燃えず、燃焼を助ける性質を持つガス 例 : 酸素、塩素など |
不活性ガス | 化学反応を起こしにくいガス 例 : 窒素、アルゴン、炭酸ガス(CO₂)など |
毒性ガス | 人間が吸引したり触れると害があり、許容濃度※1が200ppm※2以下のガス 例 : 塩素、アンモニア、硫化水素、一酸化炭素など |
その他 | 「特殊高圧ガス※3」、「混合ガス※4」、「標準ガス※5」を含めるとその数は無限大 |
※1 【許容濃度】
労働者が有毒物質に曝露される場合に、当該物質の空気中濃度がこの数値以下であれば、ほとんどの労働者に健康上悪い影響がみられないと判断される濃度。日本産業衛生学会の勧告値。
※2 【ppm】
ガス濃度を100万分の1の単位で表したもの(通常体積比)。
※3 【特殊高圧ガス】
自然発火性、分解爆発性、毒性が特に強いガスで、さらに特別な注意が必要であるとして一般高圧ガス保安規則で定めたガス。
※4 【混合ガス】
各種高純度ガスを原料として混合したもの。
※5 【標準ガス】
国の監督指導のもとにある公的検査機関で濃度が確認されたガス。
(1~3・5は産業用ガス検知警報器工業会「ガス検知警報器用語 検知管式ガス測定器用語(第3版)より引用」)
可燃性ガス
「可燃性ガス」は、皆さんもよく見たり聞いたりするかもしれません。
代表的なものは、ご家庭の台所で使われている「都市ガス(メタン)」や「LPガス(プロパン、ブタン)」があります。その他、クリーンなエネルギーとして注目されている「水素」も可燃性ガスです。
燃える性質を持っているので、漏えい/発生すると燃焼、爆発の恐れがあります。
支燃性ガス
「支燃性ガス」の代表格は、皆さんの生活に不可欠な「酸素」です。
実は、先ほどご説明した「可燃性ガス」もそれだけでは燃焼、爆発することはなく、必ず「支燃性ガス」が必要なのです。
理科の授業で、ビーカーの中に火のついたろうそくを入れて、蓋をすると中の酸素を使いきるまでろうそくは燃え、その後自然に火が消えるという実験を覚えている方もいるのではないでしょうか。
不活性ガス
「不活性ガス」はあまり聞きなれないという方が多いかもしれません。名前の通り、反応性が低いという性質があり、その性質を利用して好ましくない化学反応を起こさせないために使われます。
例えば、食品の腐敗は反応性の高いガスが原因になることが多いので、窒素などの不活性ガスが食品パッケージに充てんされ、腐敗や酸化を防ぐために使われています。
また、タンカー等の船舶関連では、防爆のためにタンク内やタンク周辺などに不活性ガスが充てんされることがあります。
毒性ガス
「毒性ガス」は、名前の通り人体に有毒なガスです。代表的なもので言うと、漂白剤などに使われている「塩素」、不完全燃焼によって発生する「一酸化炭素」などがあります。また、半導体製造工場では、半導体を製造する様々な工程でたくさんの毒性ガス(モノシラン、ホスフィン、アルシン、塩素、他)が使われており、それらは「半導体製造ガス」と呼ばれます。
当社が開発・製造をしている「ガス警報器」「ガス検知器」の大切な役割は、ガス漏れによる事故をゼロにすることです!
次回は、「ガス警報器」「ガス検知器」の具体的な役割について、皆さんにお伝えします。