コスモスヒストリー
この先も、私たちの原点が変わることはない。
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- 会社の歴史
1934▼1966
「株式会社福島電機製作所」が大阪市淀川区三津屋中(現)で創業
当時の代表的な電子部品「ボリューム(可変抵抗器)」の専門メーカーとして創業した「福島電機製作所」は、戦後のラジオブーム・家電ブームにのり、ラジオ・蓄音機・テレビなどに使用するボリュームを生産。最盛期には電子部品業界をリードする存在として、複数の電子部品メーカー・家電メーカーを傘下に収め、2,000人もの従業員を抱える企業グループへと成長する。取り扱い製品はボリュームのほか、バリコン・コイル・中間周波トランスなど多岐にわたった。
「大阪コスモス電機株式会社」誕生
好調な業績をあげる「株式会社福島電機製作所」はさらなる業容拡大を目指し、部品メーカーから総合家電メーカーへの転身を図る。しかし家電製品の製造ノウハウが足りず製品トラブルが頻発。1957年、負債額10億円の大型倒産にいたる。失業に怯える従業員の生活を支えたのは労働組合であった。翌1958年には更生会社としての「大阪コスモス電機株式会社」が誕生する。
「新コスモス電機株式会社」設立
「大阪コスモス電機株式会社」が軌道に乗ることはなかった。一度失墜した世間の信用を取り戻すことは難しく2年余りで再び倒産。会社側が再建を断念する一方で、従業員はこれまで培った技術力と若い情熱を武器に倒産からわずか2か月後、労働組合が主体となり「新コスモス電機株式会社」を設立。資本金100万円、従業員150名。社名の「新」には「自分たちの手で一からやり直そう」という決意が込められ、初代社長には技術課長で組合委員長(当時)の笠原理一郎が就任する。
ガスセンサの開発に着手
ボリュームの新製品開発など、技術開発力の高さで企業としての信頼回復に努めていた矢先、製品の出荷前検査で新しく開発した「ボリューム」の抵抗値が著しく高い値を示す。シャフトに付いたグリースを拭き取る際に使用した有機溶剤が原因だった。これに着目した笠原は特定の炭素被膜がガスセンサの機能をもつと仮説。度重なる実験の末、最も敏感に反応した炭素被膜を有機ガス敏感性抵抗体(オルガスタ)と名づけた。これがガスセンサという未知の領域への第一歩であった。
世界初 家庭用可燃性ガス警報器「A-3型」発売
1960年代前半、LPガスの家庭への普及が進む中、新コスモス電機は「必ず社会で必要とされるようになる」としてガス漏れ警報器の開発に着手する。「オルガスタ」を用いた開発が難航する中、可燃性ガスの検知には接触燃焼の原理を応用したガスセンサが実用的であることがわかる。1964年、白金線コイルに触媒を塗布し可燃性ガスが接触した際の素子の温度上昇を検知する「接触燃焼式センサ」を搭載した「A-3型」が誕生。しかし値段が高いことから、一般家庭への普及には至らなかった。
1967▼1992
世界初 自動吸引式携帯用ガス検知器「XP-301」発売
当時高コストであった接触燃焼式センサは、携帯用ガス検知器用など産業分野向け製品での利用開発を進めることとなった。そのような中誕生した「携帯用ガス検知器 XP-301」は、ワンタッチでガスを自動吸引するというアイデアと技術力が先行メーカーとの差別化につながり、操作性や測定精度の高さから、顧客の潜在的ニーズを見事つかむ爆発的ヒット商品となった。
社是・経営理念の確立
世界初 半導体式家庭用ガス漏れ警報器”みはり”「CZ-102」生産開始
当時、「半導体式ガスセンサ」という新たなセンサ原理と出会った当社は、それを家庭用ガス漏れ警報器として実用化することに成功。部品点数を減らし価格をA-3型の1/3に抑えた「家庭用ガス漏れ警報器 CZ-102」は、岩谷産業から「みはり」という名前で販売がスタートする。一般家庭にも負担の少ない価格設定、「保安を売る」という新しい価値観、そして何よりLPガス使用時のガス漏れ事故を防ぐ画期的な商品であることがセンセーションを巻き起こし、大ヒットを記録する。
工業用定置式濃度指示計付きガス警報器「BM-201/202」を発売
「ガス警報器工業会」発足
「みはり」の認知度の向上に伴い、ガス漏れ警報器市場には多数のメーカーが参入。しかし、中には急ごしらえの粗悪品も含まれていたため、消費者から苦情が相次いだ。これを受け、いくつかのメーカーの要請により高圧ガス保安協会はガス警報器の性能を担保する検定を制定。これを機に集まったガス警報器メーカーが1970年「ガス漏れ警報器連絡協議会」を結成。その後1975年に改組され「ガス警報器工業会」が発足した。
世界初の本質安全防爆マイクロエアーポンプを開発
定電位電解式COメータ「795-200型(XCO-222)」を大阪ガス株式会社と共同開発
世界初の接触燃焼式COメータ「TGCM-C-3」を東京ガス株式会社と共同開発
可燃性ガス漏れ探知器「TGPD-3(XP-702)」を東京ガス㈱と共同開発
従来のガス漏洩探知には、石けん水をガス管などに塗布するといった手法が用いられていた。しかし、微量なガス漏れは見つけにくく、ガス漏れ箇所を特定できないなどの課題もあった。そのような中、新しいタイプの「可燃性ガス漏れ探知器 XP-702」が誕生。小型軽量、さらに高感度で超微量なガス漏れも探知できるという点や、ブザー音とランプの点滅で漏洩箇所を特定するという扱いやすさが現場作業者から圧倒的支持を受け、今なお続く当社のロングセラー商品の一つとなっている。
都市ガス用ガス漏れ警報器の販売開始
数種のガスが混在し空気より軽い都市ガスの検知には、LPガスに比べより高度な検知技術が必要であった。LPガス用ガス漏れ警報器の発売から約10年、開発された「都市ガス用ガス漏れ警報器」は日本ガス機器検査協会の検査にも合格し、大手都市ガス会社で一斉に販売が開始される。そのわずか2か月後、静岡駅前地下街でガス爆発事故が発生。これを機に都市ガスに対する保安の意識が高まり、都市ガス用ガス漏れ警報器の需要は急激に高まっていく。
可燃性ガス検知器「コスモテクターXP-311」などを発売
ガスセンサの大幅な小型化と、業界初となる本質安全防爆構造であるマイクロエアポンプを採用した「コスモテクター」。当時、大きく使いづらいとされた携帯用ガス検知器の小型化・軽量化・省電力化を実現した。作業員の日常の保安業務の迅速化・能率化につながると好評を博し、現在までシリーズが続くロングセラー商品となっている。
世界初 音声合成警報式家庭用都市ガス警報器「ぴこぴこ(CZ-153)」発売
においセンサ「XP-329」発売
新コスモス電機メンテナンス株式会社・コスモスサービス株式会社を設立
1993▼2018
コーポレートマーク・ロゴ・カラーなどを新たに制定
「CI(=Corporate Identity)」の一環として、設立以来から使い続けていたコーポレートマークなどの見直しを図る。「センサテクノロジー」「快適環境」「社会貢献」の3つのコンセプトのもと、飛躍し発展し続ける企業の象徴として、新たなコーポレートマーク・コーポレートロゴタイプ・ブランドロゴマーク・コーポレートカラーを定める。
横浜国立大学に「センサ工学講座」を寄付
不完全燃焼警報機能付都市ガス警報器「CZ-163」発売
ISO9001取得
JASDAQにて株式公開
ISO14001取得
代表取締役社長に重盛徹志、代表取締役会長に笠原理一郎が就任
換気扇コントローラARU-02S/02C発売
上海に「新考思莫施電子(上海)有限公司」を設立
1972年の日中国交正常化以降、現地のガス会社を中心に中国と積極的な技術交流を図っていた当社は、その技術力が認められ次第に高い評価を得るようになる。1997年には上海ガスとの合弁会社「上海新宇宙煤気監控設備有限公司」を設立、家庭用ガス警報器の生産・販売を開始する。その後もとどまるところを知らない中国の発展に、当社は2007年、産業用製品の生産・販売を目的に独資現地法人「新考思莫施電子(上海)有限公司」を設立。より積極的な事業展開を進めていく。
Bionics Instrument Europe B.V.(本社:オランダ)の株式65%を取得し子会社化
ガスセンサの中核施設「COSMOS SENSOR CENTER」竣工
世界最大規模のガスセンサ研究開発・製造施設であるコスモスセンサセンターを兵庫県三木市に建設。技術部門と生産部門を集約することでガスセンサの生産性と品質の更なる向上を目指すと同時に、ガスセンサの新しい領域への挑戦を続けている。
世界初 電池式家庭用ガス警報器を大阪ガス㈱と共同開発
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電子機械システム)技術を用いた、消費電力が従来の1/600(当社従来比)というガスセンサの開発に成功した当社は、都市ガス警報器業界が長年求めていた電池式ガス警報器を大阪ガスと共同開発。従来のAC電源を必要とするガス警報器に比べ、設置場所の制約がなく施工性がアップしたことやコードレスになったことによる美観性が評価され、ガス警報器設置促進の一助となった。
フィガロ技研株式会社の株式66.6%を取得、グループ会社化
韓国に現地法人「NEW COSMOS ELECTRIC KOREA CO., LTD.」を設立
代表取締役社長に髙橋良典、代表取締役会長に重盛徹志が就任
2019▼現在
アメリカに現地法人「New Cosmos USA, Inc.」を設立
アメリカ、ニューヨーク州のエネルギー事業者Con Edison社へメタン検知器供給開始
現在アメリカでは、ガス配管の老朽化などによるガス爆発事故が深刻な問題となっている。そのような中、米大手エネルギー事業者であるCon Edison社が、各社のガス警報器を評価した上で、当社のMEMSセンサを搭載したガス警報器を採用。電池で駆動し、高感度検知と長寿命な点が評価された。すでに20万台以上が設置され、数多くのガス漏れを検知しており、ガス事故撲滅に役立っている。
スマートホームサービスに対応した 新世代のガス警報器「快適ウォッチSMART(スマート)XW-735」発売
日本初となるスマートホームサービスに対応した新世代のガス警報器「快適ウォッチSMART」を開発。従来のガス警報器の基本機能はそのままに、エンコアードジャパンの「コネクトセンサー」と連携することで、「簡易セキュリティ」や「警報器リモートアラーム」、「熱中症予防」、「家族みまもり」などのスマートホームサービスに対応。より安心・快適な生活環境を提供する。
「三密おしらせシステム 換気予報」発売
新型コロナウイルスの世界的な流行を背景に、感染対策として有効な換気の見える化を実現するCO2センサの需要が拡大。「三密おしらせシステム 換気予報」には当社グループの信頼性が高いCO2センサを搭載。発売から約4か月で初年度販売目標として掲げていた1,000台を突破。飲食店や学校などで役立てられている。
トヨタ自動車「新型MIRAI」に車載用水素ディテクタが採用
国として水素社会の実現に向けた動きが加速する中、当社の水素センサが水素燃料電池自動車「MIRAI」に採用。長年磨き上げたガスセンサ技術による高度な検知性能や耐久性、また家庭用ガス警報器で培った高品質なガスセンサを量産できる生産体制が評価され採用となった。
一酸化炭素検知機能付き火災警報器「プラシオ(PLUSCO)」発売
「火災による犠牲者を一人でも減らしたい」という想いから、2006年に国内初となる電池式の「一酸化炭素検知機能付き火災警報器」を東京ガスと共同開発。それから改良を重ねて開発されたのが「PULSCO プラシオ」。「プラシオ」の一酸化炭素(CO)センサを使った火災を従来よりも早くおしらせする機能が、特例基準「CO反応式」として総務大臣の認証を受ける。現代の住宅に馴染むシンプルなキューブ型のデザインを採用し、CO検知機能付き火災警報器の普及を図る。
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